2006年02月04日

褒めてりゃいいってもんじゃない

ブログでは「褒め上手」がトクをする

企業がブロガーさんに求めているのは営業としてのクチコミ活動なので、企業さんと仲良くしたければ大いに褒めなさい、という話。

こう書くと身も蓋も無いなあ(苦笑)

つか、褒めるメインにしてポジティブな方向で回していこう、と言いたいのはわかるのだけれど、TVCMのアレっぷりに辟易している身からすると、クチコミ・マーケティングによってCMばりの洗脳記事があふれる事態は避けたい。※1

よって、正しい(と筆者が信じる)クチコミ経済活動について述べようと思う。クチコミといっても幅が広くて拡散してしまうので、一番身近なアフェリエイトを例に取り上げる。

アフィリエイトの金の流れはこうだ。
まず問屋の品を紹介者が紹介する。消費者(ブログ読者)がその紹介を経由して品物を買うと、紹介料が紹介者の懐に入る。
この流れでは当然ながら、紹介者が品物を批判しても、何も見返りは無いので、アフィリエイトにおいては、得をしたければ褒めるべし、っていうのはまさしく当たっている。※2
アフィリエイト広告を出すっていうのは、要するに企業さんの出張営業を引き受けるってことなわけだ。

ただなァ……
企業さんのほうだけではなく、読者のほうも見れよ。
品物にせよなんにせよ、褒める、けなすってのは価値判断を行うってことだけど、その判断基準は紹介者自身の中にある。
ブログの読者があなたの見立てをどの程度参考にするかは、あなたの価値判断を、読者がどの程度信用しているか、に依存する。
そういう信頼関係というのは、基本的にはこれまでの活動から培われるものだけれど、壊れるときは一瞬だ。

先ほど、アフィリエイトでは紹介者は問屋側から紹介料を得ると書いた。また、消費者(読者)側は紹介を経由して買っても、金銭的な不利益をこうむるわけじゃない。
けれど、アフィリエイト広告であることを承知の上で、そこを経由して品物を買うような人というのは、あなたの見立て能力に対して見返りがあるように、と意識した上でやっている。少なくとも自分はそうだ。
あなたのレビューを、読者が評価し、信頼に足るかどうか判断しているということを忘れちゃいけない。

アフィリエイトの紹介料は、読者との信頼関係ありきであなたの懐に入ってくる。
誠実であれ、ってことで。


もうひとつ。褒め方について。
広告業における告知と洗脳の分離

“洗脳機能”には手を出すな。
読者の印象を誘導してはならない。意図的にやったら、それは明らかな邪悪への道だ。また意図的でなくとも、読者の信頼を失う可能性がある。

自身の印象を書くことはよいけれど、それを読者が未来に受けるかもしれない印象であるかのように書いたりするべきではない。
とはいっても…

例:
 〜すべてを読み終えたとき、(あなたは)この物語の大きな構造に気づくはずだ。

無意識のうちに誘導するようなことを書いているかもしれない。そもそも、自分の主観を排除することはできないというのもある。(わかってる読者はさっぴいて読んでくれるけれど)
そこで、洗脳機能に対するワクチンとして、あなた自身の価値判断の材料がなにかを記しておこう。どのようにして好印象を持ったか、といった経緯を書いておけばいい。
特に書き手の立場は、できるだけ明確にしておくべき。どういった立場からレビューを書いたかというのは、読者があなたのレビューを評価するに当たって、ものすごく重要な判断材料になるからだ。
ここでの詐称は致命傷だ。特に金銭の流れの詐称は……
イチ消費者と偽って、企業から金を貰って提灯記事を書いたりしたら袋叩きに合う。

ちと捻った例を挙げる。
ITmediaは広告収入で運営されている媒体だけれど、RSSリーダーで記事を流し見ていると、たまに先頭に「PR:」の文字がつくことがある。
その気になって探してみると、あちこちに「PR」という文字は見つかる。意味合いについての解説は見つからなかったが、これはようするに、その記事は宣伝ですよ、という断り書きだろう。
広告代を貰った上で書いている記事なので、その分を割り引いて読んでくださいというエクスキューズなのだろうと思う。
ITmediaはこうして、広告収入を維持しながら、メディアとしての信頼度を保とうとしているわけ。

とはいえブログの場合、特に長く続けてきて蓄積がある場合は、特殊な場合以外は立場について明記する必要も無いだろう。過去のエントリーを参照してください、ですんでしまう。


一応、総括。
褒める、それはよし。ただし、読者との信頼関係がなければあなたの見立ては受け入れられないし、下手な見立てを繰り返せば信頼を失ってしまう。
読者の印象を誘導してはならない。価値判断の根拠をできるだけ示すべし。とくに自分の立場は明らかにしておくべし。

アフィリエイトで受け取る紹介料というのは、問屋からの営業手数料という側面とは別に、紹介者の目利き能力に対しての読者からの報酬、という面がある。読者は、あなたのレビューがどの程度信頼できるか、測りながら読んでいる。

こんなとこで。


※1
http://plusdblog.itmedia.co.jp/naskal/2005/08/post_9a2d.html
似たような「もっと褒めよう」ということを、ITmediaのライターさんが言ったんですな。炎上気味ではあるものの、コメント欄は必見。かなり身も蓋もなく語ってくださっています。

※2
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20060202.html#p01
高木浩光氏がamazonレビューに痛烈な批判を投稿したが、採用されなかったらしい。
amazonは否定的な評価でも、遠慮せずに載せている印象があったが……
当たり前だが、品物を売るためには否定的なレビューはいらない。しかし、褒めるレビューばかり掲載しては、レビュー自体の価値がなくなってしまう。(信頼を失う)
posted by yocc at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 世の中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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